お薬手帳とは？
「お薬手帳」とは、処方されたお薬の名前や飲む量、飲むタイミング、回数などの記録を残しておくための手帳です。既往歴や副作用歴などを記入する欄もあり、いわば、“自分だけのカルテ”のようなものです。
お薬手帳のメリット
① お薬の飲み合わせを確認できる
お薬は飲み合わせによって効果が強く、または弱くなることがあります。またお薬同士、一緒に飲んではいけないものもあります。
お薬手帳があれば医師や薬剤師が飲み合わせを確認することができるので、自分から積極的に見せるようにしましょう。
② 市販薬やサプリメント、健康食品との飲み合わせを確認できる
市販薬などを服用している場合、病院等の医療施設で処方されたお薬と同じ成分が含まれていたり、飲み合わせに影響することがあります。飲んでいる市販薬などを記載しておけば、合わせて確認することができます。
ドラッグストア等で市販薬などを購入する際も、お薬手帳を見せましょう。
③ 副作用、アレルギーのリスクを減らすことができる
お薬で副作用やアレルギーが起こった場合、お薬手帳にその薬の名前や症状、経過などを記載しておくことが大切です。医師や薬剤師が確認し、副作用、アレルギーが起こったと思われる成分を避けてお薬を処方、調剤することができます。
④ 万が一の時にも役立つ
お薬手帳を常に携帯していれば、万が一救急搬送された時や災害時、旅行時などでもお薬に関する自分の情報を正確に伝えることができます。
お薬手帳を有効活用するために
① 手帳は一冊にまとめましょう
お薬手帳がいくつもあると、医療施設や保険薬局（以下薬局とする）などで今飲んでいるお薬の全てが分からず、飲み合わせが悪い等の問題が起きる場合があります。一冊にまとめることでその問題を防ぐことができます。
② 副作用、アレルギー歴などを記入しましょう
過去に副作用やアレルギーが起きたお薬と似た成分で、同じような症状が出る可能性があります。またお薬には、成分は同じですが名前が違うものもあります。今後同じような副作用やアレルギーを起こさないためにもお薬手帳に記入しておきましょう。
お薬手帳に書いてほしい基本情報
〇氏名、生年月日、住所、電話番号、血液型
〇副作用歴、アレルギー歴
〇既往歴、現在治療中の病気
〇サプリメント、健康食品、常備している薬
〇かかりつけ医療施設や薬局の名称、住所、電話番号
〇お薬の管理の仕方（本人、家族等） など
③ 入院時にもお薬手帳を持っていきましょう
入院中に使用したお薬や、入院中に万が一副作用が起きた場合その内容をお薬手帳に記入することがあります。また、退院時に処方されたお薬をお薬手帳に記入することがあり、退院後はその内容を薬局で確認しています。
④ お薬手帳に書き込みをしてみましょう
お薬を飲むうえで困っていることをお薬手帳に書いておくと、次回医師や薬剤師に相談しやすくなります。相談事も手帳を見ながらだとスムーズに伝えられます。
例）・残薬の種類や数
・錠剤が大きくて飲みにくい、苦い、薬の種類が多すぎる、など困っていること
・服用前後の体調や医師に伝えたいこと（診察時スムーズに伝えることができる）
・調剤方法の希望（一包調剤（服用時点ごとに袋詰め）等）
お薬手帳が役に立った事例
AさんはB病院に入院していました。退院後、初めての外来受診でお薬が処方され、薬局に処方せんとお薬手帳を出しました。薬剤師がお薬手帳に記載してあった退院時のお薬を確認したところ、処方せんの内容と異なっていることに気が付きました。
薬剤師が処方した医師に確認し、処方せんの内容に誤りがあったことがわかりました。お薬手帳があったことで、薬剤師が気付くことができた事例です。
お薬手帳についてよくある質問
① お薬手帳はどこでもらえるの？
全国の薬局で手に入れることができます。
② お薬手帳を持ち歩くのが面倒なのですが・・・
スマートフォンなどで使用できるお薬手帳のアプリもあります。飲み忘れ防止のためのアラーム機能や通院予定などを登録することができるものもあります。
ただし、震災時など充電が切れると使用できないというデメリットもあるので注意しましょう。
③ 使い終わったお薬手帳は捨ててもいいの？
新しいお薬手帳になってからも、しばらくは前の手帳も一緒に持っていてください。複数の医療機関にかかっている場合など、前の手帳にしか載っていないお薬の情報がある場合があります。（内服薬以外にも、肺炎球菌ワクチンや注射による骨粗鬆症治療薬を接種した記録など）
また、副作用歴、アレルギー歴、既往歴などの基本情報は前のお薬手帳から新しい手帳に書き写しておきましょう。